日常生活のなかで用いることができるアロマテラピーを紹介しましょう
・芳香浴
アロマの香りを嗅ぐ、もっとも一般的なアロマテラピーが芳香浴です。精油の香りを部屋に拡散させる方法はいくつかありますがキャンドルやアロマポットを使う方法がいちばん馴染みのあるものでしょう。
・マッサージ
いわゆる“オイルマッサージ”のことですが、精油をベースオイルで薄めたもので全身をマッサージします。マッサージは精油成分を肌からだけでなく鼻からも吸引できます。
・アロマバス
アロマオイルをバスタブに落として入浴するアロマバスは、オイルの香りの蒸散によって鼻からの吸引も楽しむことができます。よりリラックスしたバスタイムとなることでしょう。
・スチーム
アロマオイルを熱湯に落とすとアロマの芳香成分が蒸散しますので、これを取り込むのがスチームです。スチームは呼吸器系や美容に効果があります。
・湿布
湿布はオイルを落としたお湯などにタオルを浸して、このタオルをこった肩や疲れ目などの患部にあてがうアロマテラピーです。首筋などに湿布するとコリがほぐれて頭痛も緩和することがあります。
・スキンケア ヘアケア
アロマテラピーと言うより、オリジナルコスメをつくる際に好みのアロマオイルを混ぜるというもの。おなじようにオリジナルのアロマフレグランスをつくる方もいますね。
アロマテラピー検定は社団法人日本アロマ環境協会(※1)が行なっている認定試験です。この検定試験は年に2回(5月と10月)行なわれており、グレードは1級と2級があります。
2級検定は、アロマテラピーを自分自身で楽しんだり、健康維持のために用いる知識の習得を目的としていたものです。つまり2級は自分自身のためのアロマテラピーを正しく実践するための検定ということになるでしょう。
1級検定は、家族や周囲の人に楽しんでもらったり、健康維持のために用いる知識の習得を目的としているものです。自分だけのためのアロマではなく第三者のためのアロマを行なうための検定となり1級を取得することは、アロマテラピーアドバイザー、アロマテラピーインストラクター、アロマセラピストの受験資格にもなります。
1級と2級の試験日は同日で、午前中に2級が、午後から1級の検定試験が行なわれます。試験はすべて四択のマークシート方式で、試験のはじめに行なわれる精油の「香りテスト」も選択方式となります。
アロマテラピー検定の申込は、社団法人日本アロマ環境協会のウェブサイトから願書の送付を依頼できるようになっていますので、願書が届いたら受験料を振込用紙で振り込むと受験申込が完了します。なお受験料ですが1級・2級ともは6300円で、併願する場合は12600円となります。受験会場は各地域の学校や専門学校、ホテルなどで行なわれます。
なお検定用テキストもアロマ環境協会のウェブサイトを通じて購入できます。アロマテラピーの正しい知識を身につけたい方にとって検定受験はよい機会となることでしょう。
※1 社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)-アロマテラピーの普及・啓発を目的に、2005年4月1日、環境省所管の法人許可を受け設立された独立行政法人。1996年に設立された日本アロマテラピー協会を母体とします。
社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)は、さまざまなアロマテラピー関連活動やアロマテラピー関連資格認定(アロマテラピー検定1級・2級、アロマテラピーアドバイザー、アロマテラピーインストラクター、アロマセラピスト)を実施しており、「アロマ環境づくり」を推進しています。
アロマオイルは数多くの有機化合物の集合体で、これが気化することで香りとなり、おもに臭覚を刺激してさまざまな効能を生むのですが、オイルの成分が身体に取り込まれるルートは大体3つのルートに分けることができます。
ひとつは鼻で嗅いだ香りによって脳が反応し、その反応から身体の動きに直結する視床下部に伝わるルートです。また鼻から取り込まれたアロマの成分が呼吸によって肺に運ばれ、肺から血流に乗るルートです。そして3つ目はオイルマッサージなどで肌から取り込まれるルートで、このルートでは真皮にアロマの精油成分が伝わり、毛細血管から血流に運ばれるルートです。
・妊娠初期
妊娠すると女性の体はホルモンバランスが妊娠前と変わります。最低でも安定期に入るまではアロマオイルの使用は避けてください。とくに注意したいのはアロマオイルによっては通経作用をもつもが結構あるということです。香りに対する感じ方も妊娠すると変わりますのでオイルの選択を誤るということもおきやすいです。
・妊娠中期~後期
妊娠中期になってもアロマオイルはまだ使わないほうがよいでしょう。ただしこの時期は足の浮腫や腰や背中の痛みといった身体的な問題が増える方もいるでしょうから、そうした症状を緩和する意味で、ベースオイルだけを使用してのオイルマッサージは効果的です。またラベンダーやマンダリンといった精油は妊娠線の予防にもなりますので、状況に応じて薄めて使用するのもよいでしょう(精油を使用してのオイルマッサージを行なう場合は担当医に相談してみてください)。
妊娠後期に進むと、精油を使用して芳香浴を楽しむことができるようになります。ただしアロマオイルを使用する場合は、一応医師に申し出てからにしてください。大抵のオイルなら問題はないはずです。ちなみに妊娠後期におすすめできるアロマオイルは柑橘系のタンジェリンやマンダリンなどで、普段よりも低濃度にして使用します。
なおアロマには分娩作用がある精油もあります。たとえばクラリセージ、ジャスミン、ジュニパー、スペアミント、ラベンダーなどが該当し、これらのアロマは陣痛の痛みを緩和する効果もあります。ただし妊娠後期でもあっても妊娠中については、つねに担当医とアロマの使用について相談をするようにしてください。
アロマテラピーの身体面にあらわれる効果とは、生体の恒常性を高めるというものです。私たちの身体は体温、血圧、呼吸、ホルモンバランスが一定に保たれることから健康な身体を維持できるようにつくられています。生体の恒常性が保たれることで身体の免疫力が高まり、病気になりにくい強い身体がつくられていくわけです。
アロマオイルは、種類によってさまざまな薬理効果がありますが、基本的には身体の健康維持に欠かせない生体恒常性を安定させることが、それぞれの薬理効果のベースとなっています。アロマテラピーによって自然治癒力を高め、健康な身体をつくっていくことができるのはホメオスタシスの維持にあるわけです。
アロマテラピーというと、やはり精神的な効能がいちばんはっきりとあらわれやすく、それを求めて多くの方がアロマテラピーをはじめるのではないでしょうか。香りは、反応が非常に早くあらわれる特性がありますので、自分に合った香りなら、すぐにリラックスできたり、また気持ちがぐっと落ち着いたりということがおきてきます。
とくにストレスが緩和されると、私たちの体は自然治癒力が高まり、病気になりにくい体質を維持できるようになります。日頃からアロマオイルを活用していけば、精神的にも体にとってもよい効果がでてくることでしょう。
アロマテラピーで使用されている精油は、エッセンシャルオイルとも呼ばれています。
精油は香草の花や葉、木々であれば樹皮や樹脂、枝や根、果実や果皮などからも抽出できます。抽出されるエッセンシャルオイルは、脂腺をもつハーブや芳香植物の細胞にあり、脂腺を通って抽出されます。そして植物の種類によって抽出しやすいもの、ローズのようにたくさん花びらを集めないと十分な量のエッセンシャルオイルがとれないものもあり、抽出量が少ないオイルほど価格も高めになります。
精油のもつ効能は芳香植物の種類によって違ってくるわけですが、同じような特性をもつ精油もたくさんありますので、どれを選んでいくとよいのかがわからないでしょう。漢方薬でもそうですが、体に合う漢方は大体飲みやすいと言われており、漢方薬を選ぶ上での判断基準となります。精油、エッセンシャルオイルを選ぶ場合も、嗅いだ香りが心地よい、よい香りだと感じることがいちばんの判断基準となります。はじめて香りにふれたときの感覚を大切にしてオイルを選んでみるとよいでしょう。
また頭痛や冷え症などの特定の症状を改善する目的でオイルを選ぶ場合もありますが、このときもその香りが厭ではないことが大前提となります。アロマテラピーは芳香療法ですから、自分が受け入れられる香りかどうかがとても大事な要素となるのです。
アロマテラピーとは植物のさまざまな効能を活用した民間療法です。アロマテラピーで使用されるのは芳香植物の精油であり、その香りを嗅いだり精油に含まれる有効成分を体に取り込むことで心身を健康にしていくというものです。アロマとは「芳香」のことで、テラピーは「療法」ですから、植物の香りが鍵となる自然療法ということです。
アロマテラピーというものを知らなくても、植物の香りで気分が癒されたりすっきりしたりといったことは誰もが経験済みではないでしょうか。アロマテラピーはこうした効果を積極的に取り入れたものであるとも言えるでしょう。
またアロマテラピーが生まれたフランスなどでは、アロマテラピーが代替医療のひとつとして利用されており、体の健康増進効果を活用している例も多々あります。アロマテラピーの健康増進効果は、人間が本来もっている自然治癒力を高めて医薬品に依存することなく健康な体をつくっていくというものです。日本ではフランスのようなメディカルな活用は行なわれていませんが、アロマテラピーは心身ともに健康に作用する自然療法だということは知っておくとよいでしょう。
私たちは、無意識のうちに森林浴の効果などを実感しているわけですが、これはむかしから人間が、植物の力をかりて生活してきたこととつながっています。植物の香りには心身を癒す効果があることは科学的にも証明されていることです。アロマテラピーに入口として、香りの癒し効果などを活用して健康な毎日をおくることができれば、これは素晴らしいことではないでしょうか。